幼馴染は片思い中
「…」
………おかしい
今日の朔君、絶対おかしい
腕の中にいるウサギを撫でながら
隣で写真を撮ってる朔君を盗み見る
目的地である
ここアニマルカフェに着く道中も
何回か朔君から不意打ちの攻撃があった
……なんだろ、からかわれてるのかな
そんなに面白い反応してるかな、私…
朔君とおでかけは嬉しいし
朔君から何かされても別に嫌なわけじゃないけど…
むしろ嬉しいけど
普段と違うことされると戸惑うって言うか
落ち着かない気持ちが勝る
そわそわしながら、朔君を眺めていると
何かを思い出したかのように
朔君がこちらに顔を向ける
「ゆたか」
「…な、なに?」
「日山の事だけど」
少し身構えながら声を返せば
思いがけない人の名前が朔君の口から出る
「あいりちゃん?」
「別に急かしたいわけじゃねーけど
牧に告白すんなら早い方がいいと思う」
「?…どうして?」
「あいつ、来年引っ越すらしい」
「え…」
「父親の仕事の都合で
高校も別のとこに編入するから
今みたいに毎日会ったりとかできなくなる」
「……そんな……」
「会えない距離ではねーけど
会う理由が『友達』じゃ弱い」
「…」
遠すぎるわけじゃなくても
『友達』と気軽に会えるような距離ではない
会いたいと思うなら
一緒にいる時間を望むなら
それを貰える関係にならないといけない
牧君にとっての『特別』にならなきゃいけない
朔君はそう言ってる
………おかしい
今日の朔君、絶対おかしい
腕の中にいるウサギを撫でながら
隣で写真を撮ってる朔君を盗み見る
目的地である
ここアニマルカフェに着く道中も
何回か朔君から不意打ちの攻撃があった
……なんだろ、からかわれてるのかな
そんなに面白い反応してるかな、私…
朔君とおでかけは嬉しいし
朔君から何かされても別に嫌なわけじゃないけど…
むしろ嬉しいけど
普段と違うことされると戸惑うって言うか
落ち着かない気持ちが勝る
そわそわしながら、朔君を眺めていると
何かを思い出したかのように
朔君がこちらに顔を向ける
「ゆたか」
「…な、なに?」
「日山の事だけど」
少し身構えながら声を返せば
思いがけない人の名前が朔君の口から出る
「あいりちゃん?」
「別に急かしたいわけじゃねーけど
牧に告白すんなら早い方がいいと思う」
「?…どうして?」
「あいつ、来年引っ越すらしい」
「え…」
「父親の仕事の都合で
高校も別のとこに編入するから
今みたいに毎日会ったりとかできなくなる」
「……そんな……」
「会えない距離ではねーけど
会う理由が『友達』じゃ弱い」
「…」
遠すぎるわけじゃなくても
『友達』と気軽に会えるような距離ではない
会いたいと思うなら
一緒にいる時間を望むなら
それを貰える関係にならないといけない
牧君にとっての『特別』にならなきゃいけない
朔君はそう言ってる