幼馴染は片思い中
「良かったな、牧
お前、こーいうとこ好きだもんな」


何も知らないように振る舞ってるけど
朔君も仕掛人
あらかじめ色々話して、協力してもらった


「いや、そうなんだよ
実は楽しみすぎて寝れなくてさ」

「日山は、絶叫系とか平気?」

「う、うんっ
アトラクション全般好き」

「何乗りたい?」

「えっと…」


朔君が牧君とあいりちゃんの間に入って
うまい具合に会話を引き出してくれてる


…さすが朔君


普段、あんまりしゃべる方じゃないけど
こういう場の空気を読んで
話したり、動いたり
立ち回るの上手なんだよな

会話を引き出すのも、盛り上げるのも
器用にこなす



「ゆたかちゃんは?どこ行きたい?」

「あいりちゃん達が行きたいとこでいいよ」


牧君と話せて嬉しそうなあいりちゃんは
にこにこしながら聞いてくる


朔君と一緒に考えた
【ふたりの距離を縮ませよう】作戦

まだひとつも実行してないっていうのに
その笑顔を見れただけで
もう達成感が湧いて、満足してしまいそうになる


……だめだめ

少しでも、あいりちゃんと牧君が近付けるようにがんばらなきゃ!


「…」


謎の使命感に駆り立てられ
意気揚々と奮起する私は
隣で朔君が物言いだけに視線を向けていたことに気づけなかった
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