幼馴染は片思い中
「ふたりで遊びに行くことになったんだって」

「あれだろ。ドッグカフェ」

「うん」

「あのふたり
意外と趣味嗜好似てるのな」



遊園地作戦は大成功

朔君の言う通り
ふたりは趣味嗜好が似ていることもあって
打ち解けるのに時間はかからなかった

犬好きなふたりは
今度、ふたりで柴犬カフェに行く約束をしたらしい


「相性、良かったんだね」

「だろうな
牧も日山と話してて楽しそうだし」


あいりちゃんも
相変わらず緊張はするみたいだけど
牧君と話すのは楽しそうだし
一緒にいて居心地も良さそうだった


「良かったな」

「うん」


そこで会話は途切れて
しばらく無言で通学路を歩いていたけど
不意に朔君が私を呼ぶ


「……ゆたか」

「うん?」

「お前、顔色悪いけど大丈夫?」

「え?…そうかな」


そんな指摘に私は首を傾げる


「気持ち悪いとか、頭痛いとかは?」

「ないよ。大丈夫」

「体、おかしくなったら保健室いけよ
なんなら、早退しろ」

「うん。分かった」



朔君は過保護だなぁ…
だなんて、呑気に思っていたけど


その後、私は
学校に着くなり、めまいに襲われて
保健室に運ばれることになった
< 45 / 77 >

この作品をシェア

pagetop