幼馴染は片思い中
―……



「大丈夫か?」


どれくらい眠っていたのか
再び目を覚ました時
いるはずのない人の姿がそこにあった


「…」


……………なんで、朔君がここに…


ベッドで横たわる私のすぐ傍で
窺うようにこちらを見つめてる朔君


めまいは収まっていたものの
まだ覚醒しきってない頭では
思考をうまく処理できず
ただ、ぼんやりとその顔を見返す



………。



………まあ、いっか…



寝起き+熱でぼんやりしていた私は
考えることを放棄した



……………熱い………


むくりと起き上がり
おもむろに服を脱ぎ出した私に
朔君はぎょっとした顔で、珍しく慌てて
止めに入ってきた


「ゆたか。ストップ」

「……あつい」

「分かった。けど、俺いるから」

「……朔君なら、別にいい…」


下着をみられようが、裸を見られようが
朔君なら私は気にしない


「だめ」

「……なんで?」

「なんでも」

「…いつも意識してくれないくせに」


好きって言っても
抱き付いても、一緒に眠っても
朔君は全然動じないくせに


拗ねるような口調でぽつりと呟いた本音
朔君は一瞬、言葉に詰まったように見えた

何かを言いたそうに口を開いて
でも結局何も言わず
無言で私のパジャマのボタンを閉めた
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