幼馴染は片思い中
休憩所で盛り上がる同じアルバイトの人達

気付かれないようにそそくさと
私はその場を後にする


外に出た瞬間に大きくため息をつく



「…」



人が嫌いなわけじゃない

だけど、うまく関われなくて


挨拶も会話もぎこちなくなる


働いてる時はそっちに集中してるからいい
だけど、合間の半端な休憩時間や
出退勤の時の瞬間がどうしても苦痛



「…人に慣れるために始めたのにな」


このままじゃ良くないのは分かってる

だから、アルバイトを始めて
少しでも人と関われるように頑張ろうと決めたのに

現実は上手くいかない


学校生活同様




「……朔君に会いたいな」

「いるけど」



ぽつりと独り言を呟けば
横から聞き慣れた声が返ってきて

顔を上げれば
お店の壁に背中を預けて、スマホをいじってる朔君がいた


びっくりして目が真ん丸になる



「…な、なんでいるの?朔君」

「なんでもなにも…
夕方まで具合悪くしてたくせに
そのままバイトに行くから」
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