幼馴染は片思い中

妹でいい

そう自分に言い聞かせて、納得したくせに


『特別』を欲しがる

『特別』になりたがる


優しくされると
そういうことをされると
言われると困る


抑えられなくなる

偽っても、隠しても、


結局、私は朔君が欲しくなる


特別になりたいし

特別になって欲しいって思ってしまう




でも、無理だから


朔君は私の望む『特別』にはなってくれない


だから


せめて、一緒にいられる今のこの関係を
崩さないように、壊さないように


ずっと、このままでいられるように



本当の自分は
抑えて、隠し続ける



それが浮き出しそうになる
今みたいな時は
出来るだけ、朔君に近付かないようにしようって決めてた



「……ないしょ」



ばれたくない

知られたくない


こんな欲まみれの自分


私はなんとか笑顔で取り繕う
朔君は物言いたげな目で私を見たけど
何も言わなかった