幼馴染は片思い中

「大事だって、大切だって思った」



…



「好きだって思った」



……



「だからこそ
誰よりも幸せになって欲しかったから
お前が、俺以外のやつを好きになるのを待ってた」



……どうして



「本当の意味で、お前に優しくしてくれて
お前の事を大事にしてくれて
お前のペースに合わせてくれるやつ」



……どうして、気づかないんだろう



「……でも、結局だめだった
お前が俺以外のとこにいくの、無理」



朔君が、ぎゅっと私を抱き締めて
困り果てたように、囁いた



「可愛くて、手放せねーよ」



……私を幸せに出来る人なんて
朔君以外にいないのに



朔君は


自分には、その資格がないって思ってる

自分には役不足だなんて、思ってる



だけど、朔君は


打算なしに、ちゃんと優しくしてくれてる

私のペースに合わせてくれる

なによりも、私の気持ちを

私を

大事にしてくれてる




「…朔君の、分からず屋」

「…ゆたか？」

「……朔君以外の人なんて考えられるわけない」


むくれ顔で呟いて、一旦朔君から離れて


「朔君のバカ！！」

「！」


きょとんしてる朔君に一喝して

勢いのまま唇を奪えば
朔君は目を見開いて固まった