幼馴染は片思い中
「……結婚」

「うん。だって、手放せないし
お前も、そうなんだろ?」

「…」


…それは、確かにそうなんだけど……


あまりに、急な展開に
動揺して声が出ない

それを解っていながら
朔君は、少し意地悪な笑顔を浮かべて
試すような事を言う



「俺とするの、嫌?」



……。



……
…………朔君は、ずるい



「………嫌じゃ、ない」



意地悪そうに微笑みながらも
私を見つめる目は、どこまでも優しくて



「朔君がいい」



深い深い愛情を、私に向けてる




「俺も。ゆたかがいい」



絶えることなく、注がれるそれに

じわじわ、顔に熱が集まる

あわあわと赤くなる私を見て
朔君は一層笑みを深める




「ゆたか」




近付いてきた朔君は
私の額に軽く口付けて





「お前が好きだよ」




ゆでダコになる私に
そんな愛の言葉を囁いた
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