レインコートもいいけど、傘は必要
「なにも知らないくせに……」
折りたたみ傘を差し出す星野に向け小声で呟いた後、レインコートを着た姫井は体を反転させて背を向けた。
降り続く雨に打たれながら、姫井は校門を出て駅に向かっていく。
その場に残された星野は、折りたたみ傘を手に持ったまま立ち尽くしてる。
このとき星野は、姫井が高校生になっても雨の日にレインコートを着続けてる理由を知らなかった。
その後、意外な所で予想もしてなかった人物から
姫井の過去を聞いて、星野は驚愕することになる……