レインコートもいいけど、傘は必要


 大型連休が終わった五月の中旬、高校一年生になって初めての課外授業がある。



 地域清掃ボランティアをするため、役割分担を決める学級会議があった。

 そこで私は、思わず感情的になって声を張り上げ怒りを爆発させてしまう。


 一生懸命にやってる委員長を無視して、クラスメイトたちは私語ばかり。

 注意すると「お前たちで勝手にやれ」とまで言われて、私は我慢することができなかった。



「いいかげんにしてよ!きちんとして!」



 クラスメイトが口を閉じ、私に冷たい視線を向けてくる。

 その時は、なんとか割り当てを決め会議を無事に終了させることができた。

 でも、翌日から私のことを生意気だとか調子にのってるなど、陰口を言われるようになってしまう。


 中学生の時にも、同じようなことで孤立した経験があった。

 地元から離れ顔見知りのいない高校で心機一転、頑張ろうと思ってたけど……

 短期な性格はなかなか直せず、また同じような環境になってしまいそう。



 そして、6月の梅雨時期に入ったぐらいのタイミングで

 私に対する覚えのない噂が広まってるのを耳にする。




 先端恐怖症の女……






< 8 / 21 >

この作品をシェア

pagetop