新人メイドと引きこもり令嬢 ―2つの姿で過ごす、2つの物語―
「…私は御主人様に一日知られず過ごしていただくだけのつもりだったのです、それなのに…。御主人様に嘘をついていたのが知れたら、どんな事になるか…」
さすがに落ち着かない様子で多弁になっている。
「執事さんのせいじゃありません!私のせいです…!それに、私は罰を受け追い出されるその日まで、頑張ってここのために何かしたいんです!!」
「…その気遣いはとても嬉しいのですが、私はあなたのご両親に、なんと謝罪をしたら良いのか…」
「それは…」
(そうだ…私はお父さんとお母さんのために…)
しかし彼女はしっかりとした口調で言った。
「…私が勝手に決めて、執事さんを巻き込んだんです…私が両親に謝ります」
娘はまっすぐに執事を見て言った。
「あなたは…」
「お願いです…!知られ、追い出されるまでお手伝いをさせて下さい…!!」
「…。」
執事は黙って目を閉じた。
「…その姿で、御主人様のもとへ行くこと、他へ手伝いに行くことを控えていただかなければ。シェフにも、“リン”を御主人様のもとに行かせないよう言っておきます」
そう言うと、執事は戸を開け、
「…それでは失礼いたします。大変お疲れ様でした、おやすみなさいませ」
頭を下げてから出ていった。
「良かった…でも、疲れちゃった……」
たった一日でいろいろなことがあり、疲れた娘はすぐに寝る支度を始めた。
(そう言えば、夜に来たあの人はどこにいるんだろう…?)
そんなことを考えていたが、ベッドに寝転ぶなりそのまま眠ってしまった。
さすがに落ち着かない様子で多弁になっている。
「執事さんのせいじゃありません!私のせいです…!それに、私は罰を受け追い出されるその日まで、頑張ってここのために何かしたいんです!!」
「…その気遣いはとても嬉しいのですが、私はあなたのご両親に、なんと謝罪をしたら良いのか…」
「それは…」
(そうだ…私はお父さんとお母さんのために…)
しかし彼女はしっかりとした口調で言った。
「…私が勝手に決めて、執事さんを巻き込んだんです…私が両親に謝ります」
娘はまっすぐに執事を見て言った。
「あなたは…」
「お願いです…!知られ、追い出されるまでお手伝いをさせて下さい…!!」
「…。」
執事は黙って目を閉じた。
「…その姿で、御主人様のもとへ行くこと、他へ手伝いに行くことを控えていただかなければ。シェフにも、“リン”を御主人様のもとに行かせないよう言っておきます」
そう言うと、執事は戸を開け、
「…それでは失礼いたします。大変お疲れ様でした、おやすみなさいませ」
頭を下げてから出ていった。
「良かった…でも、疲れちゃった……」
たった一日でいろいろなことがあり、疲れた娘はすぐに寝る支度を始めた。
(そう言えば、夜に来たあの人はどこにいるんだろう…?)
そんなことを考えていたが、ベッドに寝転ぶなりそのまま眠ってしまった。