君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「会う。久世先生と、会うよ」
「え、でも、無理しなくても」
「無理はしないよ。ただ、私なんかでいいの?とは、思うけど……」
「それは、あちらがぜひと言ってくださっているから、舞花が心配することはないわ」
会うことを了承すると、母の表情はホッとしたのか安堵の色を見せた。
その顔が見られただけで、私のざわざわしていた気持ちも落ち着いていく。
結婚が決まったと話したとき、心から喜び何度も『良かったわね』と言ってくれた母。
それがあんな形でダメになり、どれだけ心配をかけてしまったかわからない。
だから、無理にでも話に乗ったほうが母も安心してくれるだろうという気持ちが今は最優先。
これ以上、私のことで心配をかけたくはないと強く思う。
「わかったわ。じゃあ、落合先生にも連絡をしておくから」
母の声が次第に明るくなってきたのを聞きながら、「わかった」と微笑む。
中断していた子どもたちへの手紙の返事書きを再開した。