君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「ごめんなさい私、大興奮で……恥ずかしかったですよね」
思う存分かわうそを堪能した後、自分の興奮具合を振り返り反省する。
初対面に感激してまったく周囲が見えてなかった。自分しか客がいないような勢いで声を上げてしまっていたと思われる。
「いや別に。全然恥ずかしいとか思ってないよ。むしろ貴重な舞花が見られたと思うから俺的にも大満足」
優しいコメントに救われる。
そんな風に言ってくれるとは思いもしなかった。
「〝初めてかわうそを見た舞花〟っていうのは、さっきのあの瞬間しか見られなかったわけだしな」
本当に満足そうにそんなことを言う久世先生をじっと見上げる。表情も穏やかでやっぱり満足気だ。
「……って、立ち合えて良かったとか思っちゃってる俺もやばいか」
「やばい……かもですね」
なんだかおかしくなってきてクスクスと笑ってしまう。
ひとり肩を揺らしていると、繋がれている手をぐいと上に持ち上げるようにして引っ張られた。
「俺がやばいので笑うのもいいが、ひとつ舞花に言いたいことがある」
「え? なんですか? 久世先生が──」
「それ」
「へ?」