君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「ありがとうございました。人を呼びに行ってもらって。私さっき、指示するみたいな言い方しちゃって……すみません、偉そうに」
全く気にもならなかったことを謝られ、くすっと笑って「全然」と即答する。
そういうところ、真面目というか、謙虚というか。
「でも、母親がちょうど見つけにきたから良かったな」
「そうですね。あの場所で待っていて正解でした」
うろうろ一緒に母親を捜し歩いたり、案内所に連れて行ったりしていたら、再会が遅れたに違いない。
舞花の言う通り、あの場所にとどまっていて正解だった。
「でもあの子、舞花のこと先生って」
「待っている間、『保育園とか幼稚園には行ってるの?』って訊いたら、幼稚園に通っていると答えてくれたので、『私、幼稚園の先生なんだよ』っていう話になって。それで、先生って呼んでくれたんだと」
「ああ、なるほど。その流れで踊ってたのか」
さっきの光景が頭に浮かんでそう言ってみると、舞花は表情をハッとさせ、直後に頬を紅潮させる。
「あ、あれはですね……今、子どもたちの間で人気の体操でして。今日はパンダは見たの?という話の流れから、パンダ体操やろうっていうことに……」
話していて更に恥ずかしくなってきたのか、舞花は赤面した顔で俺を見上げる。