君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
人生で初めて口にした言葉は想像していたより重く神聖で、言ったそばから鼓動が速まっていくのを感じる。
俺を見上げていた舞花の揺れる瞳が、忙しなく動き動揺を露わにする。
俯き、体の前で組んでいる手を揉み合わせた。
「本気……ですか? 私と、結婚したいだなんて……」
恐る恐る上げたような顔に表情はない。
真顔のまま投げられた言葉に即答で「もちろん」と返す。
どうしてこんなに疑ってかかるような様子なのか。そう思って一瞬でその理由に行き着く。
信じていた約束を、結婚という人生最大の約束を突如破棄された過去の傷が疼くのだ、きっと。
その呪いから解き放たってやらなければ、舞花はこれから先ずっとその辛い記憶と共に生きていくことになる。