君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「そう。まぁ、仕事柄仕方ないことね。久世先生、救命の方にも携わってるから余計に忙しいのよ」
そう言った母は小さく息をつき、「でも、本当に良かった」と言う。
ホッとしたように呟き、母は優しい眼差しで私の顔をじっと見つめた。
「今度こそ、舞花に幸せが訪れたって思うとね、お母さん嬉しくて」
お母さん……。
心から喜んでくれている。
その言葉と声、表情から母のそんな心情が感じ取れる。
「久世先生を大切にして、ふたりで幸せになりなさいね」
込み上げるもののせいいで声が出せず、うんうんと何度も頷く。
そんな私を、母はソファから立ち上がりそっと抱き寄せてくれた。