君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
お土産に買って行った母の好きな大福をお昼に一緒に食べ、持っていこうと思っていた荷物をまとめて実家を出たのは三時過ぎ。
真っすぐマンションに帰ると、今朝方仕事から帰宅した公宏さんが「おかえり」と出迎えてくれた。
「起きてたんですね」
「十二時前には起きてた」
となると、私が出かけたすぐあとくらいだろうか。
「そうだったんですね。私も十一時過ぎくらいに出たんです。荷物を取りに実家に行ってきました」
「そっか」
広い玄関で靴を脱ぎ、大理石の床の上に揃えられているスリッパに足を入れる。
それと同時に伸びてきた腕に捕まり、正面から抱きしめられた。
「あのっ、公宏さん⁉︎」
突然のことに驚き声を上げた私に、公宏さんはお構いなし。
腕を緩めず耳元で「ん?」ととぼけたような反応をする。