君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「ここに一緒に住むようになって、やっとちゃんとした時間が取れるなと思って」
「今日は、呼び出されることは無さそうなんですか?」
「今日は完全にオフ。だから一日舞花と過ごせる」
婚姻届を提出してからというもの、お互い仕事をしながらここでの生活を始めるためにバタバタ過ごしてきて、まだ夫婦になったという実感はあまりない。
公宏さんは抱きしめる腕を解き、肩を抱いてリビングへと私を連れていく。
「今日はどう過ごそうか」
「えっと……そうですね」
夫婦になった実感がないより以前に、まだお付き合いをスタートしてからだって間もない。更に言うならば、出会ってからだってまだ半年も経っていない。
そんな公宏さんとの新婚生活は戸惑いの連続。
もともと男性との交際経験に乏しい私が、知り合って数回しか会ったことのない男性と結婚し、新婚生活を送るのだ。
些細なことで鼓動が高鳴るし、動揺して落ち着かない。
今だって、抱き寄せられたり肩を抱かれたりするだけで心臓がドキドキ鳴っている。