君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「公宏さんは何かありますか?」
「そうだな。舞花とゆっくり過ごせたらいいかな」
何気ないこんな言葉にもどきりとする。
動揺を押し込めて頭を回転させ、「じゃあ」と口を開いた。
「買い物に行って、夕飯作って、一緒に食べるとかどうですか?」
「お、いいな、それ。賛成」
公宏さんが私の提案に快く乗ってくれて、この後の予定が決定する。
「冷蔵庫、まだほとんど何も揃ってないので、ちょっと何を買うか見てきますね」
緊張から逃れるように背中に回された公宏さんの腕からするりと抜け、ひとりキッチンに向かって踵を返した。