君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「あの、ここに来るまでに訊くべきだったんですけど、好きな食べ物とかってありますか?」
「好きな食べ物か。特にこれっていうのはないな。今まで外食か病院の食堂かコンビニ弁当って食生活だから、手料理ってだけでありがたみが違うし」
「そうなんですね……」
そんな話を聞いて、ふと疑問が頭に浮かぶ。
「私と知り合う前にお付き合いされた方とかには、どんなご飯作ってもらったりしましたか?」
公宏さんみたいな男性なら、そういう相手はきっとたくさんいたはずだ。参考までに聞きたい。
「いきなりすごい質問するな、舞花は。そういうことって聞きたくないもんじゃないのか?」
「え、そうなんですか?」
「だって、自分の前にどんな相手と付き合ったことがあるかとか、俺なら知りたくないんだけど」
そっか、そういうものか。確かにそうかも。
そういうネタを平然と訊いてしまった自分は、結構な変わり者なのかと気付く。
と、いきなり公宏さんが私の耳元に唇を寄せた。