君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


 子どもたちの「舞花せんせーい! 頑張れー!」なんて声援を受けて走るのはやりがいがあって、私もつい本気で走ってしまう。

 去年は年少組の担任でリレーには助っ人としての走者だったけど、今年は自分のクラスのために走るわけだから余計気合いも入るに違いない。

「舞花が走るのかー。なんかそれ、普通に見てみたいやつだな。でも、子どもたちと運動会とか、舞花キラキラしてそう」

「え、キラキラ、ですか?」

「輝いてて眩しいって意味な」


 公宏さんは自分のグラスにビールを追加し、私にも「もう少しいける? もうやめとく?」と訊いてくれる。

 初めて飲んだビールだけど、フルーティーな口当たりで飲みやすい。もう少しなら飲んでも大丈夫だと思い、「では、あとひと口いただきます」とグラスを手に取った。


「舞花は子どもが好きで幼稚園の先生になったわけだけど、自分の子どもは欲しい?」

「欲しいです! 絶対!」


 つい前のめりに答えてしまい、公宏さんがくすっと笑う。


「そっか。何人ほしいとかは?」

「そうですね……ふたり……いや、三人でもいいかな。男の子ふたりに女の子ふたりで四人兄弟とか」


 妄想が炸裂し、最後のほうはひとりぶつぶつと呟いているみたいになっていた。

 ハッとして頭を切り替える。

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