君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
7、愛の結晶をつくるなら



「ええ! まだしてないの⁉︎」

「ちょっと、声が!」

「ああ、ごめん! だってぇ……」


 十月に入り、猛暑が続いた夏もやっと終わりを迎えた。

 秋に一歩足を踏み入れた季節は過ごしやすく、長袖の服を着る日のほうが多くなってきた。

 週末、金曜日。

 明日は幼稚園の運動会予定日で、今日は給食無しのお昼までの半日保育。

 子どもたちが降園後、職員は総出で明日の準備に取り掛かった。

 テントを張ったり、園庭での会場作り。プログラムに沿っての音響やアナウンスのリハーサル等も行われた。

 その後、夕方五時には全員終業を迎え、普段は退勤時間が違う朱里と久しぶりに夕飯でも食べようと約束をしていた。

 最寄り駅近くの肉バルに行こうと朱里に提案され、今晩は肉三昧だ。

 園ではなかなかプライベートな話をじっくりする時間もなく、こういうときにしか込み入った話はできない。

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