君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
前の結婚の予定が破棄になり、園には結婚の予定がなくなったという知らせを先延ばしにして保留にしたままだった。
そのうちに公宏さんとの縁が進展し、思わぬ展開で結婚することとなった。
保留にしておいた報告を無事に園に済ませ、そのときに朱里にも報告した。
でも、同期であり親しい友人でもある朱里には本当のことを唯一話した。
実は元々結婚予定だった智志くんには結婚を破棄され、その後、母親と知り合いからの縁で公宏さんと引き合わされ結婚することになったと。
智志くんに関して、朱里は『怒りで鳥肌が治まらない』と、しばらく恐い顔をしていた。
でも、公宏さんとの結婚は自分のことのように喜んでくれて、報告をしたときの朱里は怒ったり喜んだり感情が非常に忙しそうだった。
『ひどい仕打ちを受けた舞花に、神様が与えてくれた幸せだよ』
そう言ってくれた言葉が印象深く、今でも心に残っている。
その後、今日は久しぶりにふたりでご飯を食べられることになり、朱里は「新婚生活はどう?」と訊いてきてくれた。
順調であると答えながらも、この間の一件が私の中でずっと引っかかっていて、朱里にその話を相談したのだ。
そういう雰囲気になったものの、できなかった、と。