君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「怖いなんて思わなかったんだよね、本当に。でも、震えてるのを見て、やめようって言われたから……」
「うーん……。その、もう思い出したくもないかもしれないけど、元カレともさ、一線超えずにだったわけじゃん? それもさ、やっぱり怖かったからとか、震えたとか、そういう理由だったの?」
「それが、今考えてみるとよくわからないんだよね。別に、元々そういう雰囲気にもならなかったし、震える展開までいかなかったというか……」
そう……結婚が決まっても体を許してくれなかったなんて理由で結婚破棄をしたくせに、思い返せば求められたことなんてそもそも一度もなかったのだ。
「え、何それ。舞花と付き合って手出さなかったってこと? その元カレ。ある意味レア」
そんなことを言った朱里は「私が舞花の彼氏だったら、絶対我慢できないけど」とか、恥ずかしいことを言い出す。