君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「まぁ、冗談は置いておいて。旦那様、実際ショック受けたかもしれなくない?」
「え……ショック?」
「そう。だって、愛する妻に拒絶されたも同然の状況でしょ? これからってときに、お預けをくらったというか」
「え、いや、全然そんなつもりないよ!」
「舞花はそう思ってても、旦那様の気持ちはわからないでしょ?」
そう言われるとずきっと胸が痛む。
あの日以降、公宏さんとはそういう雰囲気になっていない。
一緒のベッドで眠りにつくことはあっても、公宏さんが私を求めてくることはないのだ。
『今日は、やめておこう』
あの日の公宏さんの低い声が、今も耳の奥に残っている気がする。
「どうしたらいいんだろ……」
「どうしたらって、それは舞花が頑張るしかないでしょ」
「頑張る、って?」
「誘うんだよ、舞花から。お誘いするの」
朱里からとんでもない言葉が出てきて、ぼっと顔が熱を持つ。
そういう経験もない私が、そんな上級者のするようなことできるわけ……!