君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
なんだかんだで病院を出たのが七時前。その後、帰りがけに軽くひとりで食事を済ませて帰宅した。
「おかえりなさい」
帰宅するとすでに舞花は帰っていて、スリッパを鳴らして玄関まで出てくる。
「帰ってたのか」
「はい。五時から食事できたので、七時過ぎには帰ってきてました」
「そうか」
玄関を上がると同時、舞花を両手で抱き寄せる。
初めの頃こそあからさまに動揺を見せていたけれど、それも今は舞花のほうからも腕を回してくれるようになった。
「お疲れ様でした」
「舞花も。お疲れ様」
腕を解いてリビングへ入っていくと、舞花が後ろをついて歩いてくる。
「今日も、お忙しかったですか?」
「いつも通りかな。午前中は外来で、午後はオペに入った」
「そうですか……じゃあ、お疲れですよね」
どこがと言われると、はっきり〝ここが〟と挙げられないけれど、なんとなく様子がいつもと違う。
そんなことを思っているうち、キッチンに入って行った舞花が自室に向かおうとした俺の前に立ち塞がった。