君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「舞花の匂い、落ち着く。いい匂い」


 どきりとする言葉を囁かれて、体をよじる。

 すると、ちょうど公宏さんの目の前にきたらしい耳にキスを落とされた。


「ふぁっ」


 不意打ちの感触に変な声が出てしまい、「くすぐったいです」と抗議する。


「癒されるだけに留めておこうとしてるのに、なんで煽るんだ」

「え、あ、煽るって」


 訊くまでもなく私を抱きしめる公宏さんの手が素肌をなぞりだす。

 あっという間にブラの肩紐が落とされて、カップの隙間から悪戯な指先が入り込んだ。


「やっ、だめ、公宏さん」


 昨晩も甘い時間をこのベッドで送り、今朝起きるとその熱が残っているような感じがした。

 それなのに今また触れられたら、仕事に行く頃の自分が心配だ。


「公宏さん、お願い……また、今晩にして──」


 敏感な胸の先を指先で転がされ、体が勝手にぴくっと跳ねる。

 もうこのまま流されてしまおうかとそんな考えが頭をよぎったとき、公宏さんは私の耳裏にリップ音を響かせてキスを落とした。


「わかった。じゃあこの続きは、帰ってからのお楽しみにしておく」


 落としたブラの紐を元通り肩にかけ、公宏さんの手が再び私を抱きしめる。

 少し触れられたことで私のほうがその気になりかけてしまったことは、もちろん内緒で黙っておいた。

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