君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~



「おばあさんが川で洗濯をしていると、川の向こうから大きな桃が、どんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。……みんな、この桃の中に何が入っているか知ってるかな」


 紙芝居からひょっこり顔を出し、子どもたちに質問をする。

 口々に「桃太郎―!」と元気な声が上がった。


「おっ、みんなよく知ってるね。じゃあ、続けるね。おばあさんはその桃を家へ持って帰り、おじいさんとふたりで食べようとしました。ところが、桃の中から小さな男の子が──」


 今日は午前中、近くの公園に園バスでお散歩に出かけてきた。

 落ち葉や木の実がたくさん落ちる季節になり、それらをみんなで拾ってきて園での製作に使うのだ。

 落ち葉や実は絵に張り付けたり、どんぐりはコマやネックレスなどを作ったりする。

 今は帰りのバスの中。

 疲れて寝ている子もいるけれど、紙芝居のリクエストをもらって桃太郎の紙芝居を読んでいるところだ。

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