君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「あー、みんなごめーん。もうそろそろ到着だから、また続きは給食のあとに読むね!」


 到着後は、ちょうど給食の時間。教室に戻ったら手洗いをして給食の準備に取り掛かる。

 園の駐車場にバスが到着すると、子どもたちを駐車場直結の入り口より園内に誘導する。

 その後、ひとりバスに戻り子どもたちが拾ってきたものをまとめた紙袋を手にバスを降車すると、どこからともなく「舞花」と名前を呼ばれた。


 え……?


「舞花、良かった。まだ働いてたんだな」


 向かいの道路から駆け寄ってきた姿を目に、時間が止まってしまったように体が固まる。


 どう、して……なんで……?


 動けなくなった私のすぐ目の前まできた智志くんは、「久しぶり」とこれまでのことが全部嘘のように微笑を浮かべた。


「少し話せないか」


 頭の中が真っ白で言葉が出てこない。

 それでも自分が今どうしなくてはいけないかをなんとか考え口を開いた。

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