君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「俺が、舞花の言いたかったこと、言っておいたから大丈夫」

「え……公宏さん、会ったんですか……?」

「ああ。でも、ごめん……さすがに、大人な対応はできなかったな。あと一歩間違えたら手を出してた」


 今、幸せだと、血の気の引いた顔に向かって言ってやった。

 生まれて初めて怒りの感情が昂った。

 何かに対してあんなに激高したことはなく、コントロールが効かなくなりそうな自分に一瞬焦ったくらいだ。

 それほど舞花が大切な存在だということを改めて思い知った。


「もう二度と、舞花の前に現れるなと言っておいた。舞花は俺のものだって」

「公宏さん……」

「誰にも渡さない」


 愛しい気持ちが溢れて、独占欲が暴走する。

 腕を解き、三つ編みに結ってあるヘアゴムを左右順に取っていく。

 緩んだ編み目を指で梳いて、後頭部に手を添えて再び枕に横たわらせた。


「舞花」


 血色を取り戻した桜色の唇を奪い、求めるように舌を絡める。

 はじめの頃は戸惑っていた口づけも、今は控え目でも応じてくれるようになった。

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