君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「……っ、ん──」
もっと触れたい。存在を確かめるようにキスの雨を降らせ、トレーナーの裾から手を忍ばせていく。
温かく柔らかい素肌に触れていった、そのとき──。
「嫌っ──」
突然、拒否するように触れていた手を引き剝がされ、一瞬、流れている時が静止したような錯覚を覚えた。
「舞花……?」
拒絶するように体をよじり、舞花は自分をきつく抱きしめる。
その体が尋常ではないほどガタガタと震えていて、ハッと息を呑んだ。
「すみません……ひとりに、してください」
まさか──その予感が的中したことを裏付けるように、舞花は背を向けたまま。
何も声をかけられないまま、ひとり静かに寝室をあとにするしかできなかった。