君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「言っただろ? 俺は変わらずそばにいるって。だから、焦らなくていい」


 公宏さんは柔和な笑みを見せ、繋いだ手にわずかに力を込める。

 その気持ちに応えたくて、私のほうからも指先に力を込めた。


「まだ少し時間あるから、舞花を連れていきたいところがあるんだけど」

「連れていきたいところ、ですか?」


 いったいどこだろうという私の疑問の視線を受け、公宏さんは「どこかはお楽しみ」と言う。

 公宏さんが私の手を引いて入ったのは、有名ハイブランドのジュエリーショップ。

 落ち着いた店内の雰囲気と挨拶をしてくるスタッフの上品さに緊張が高まる。

 クリスマスシーズンだからか、客の姿もちらほら見受けられた。

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