君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「明日は、特に何もないので、平日できない家のことでもしようと思ってます。掃除とか、買い出しも。あと、お昼頃に母のお店に顔を出そうかと」
「そっか。俺も、昼過ぎには終わると思うから、帰ってきたら一緒にやるよ」
「ありがとうございます。あ、あの、明日は夜、何か予定はありますか?」
突然閃いて、明日の仕事後の予定を訊いてみる。
公宏さんは「夜? いや、特にないけど」と目を落としている画面から顔を上げた。
「それなら、明日はお家でクリスマスやりませんか? 今日、素敵なディナーに連れていってもらったので、そのお礼もしたいですし」
「舞花がクリスマスメニュー作るのか?」
「はい。今日のディナーみたいにはいかないですけど、ささやかに」
「じゃあ、一緒に作るか。買い物も一緒に行って」
ふと、前に公宏さんが一緒にキッチンに立つのも夢だと言っていたことを思い出す。
なんだかんだまだ叶えてなかったこともあり、「そうしましょう」と話に賛成した。
公宏さんはタブレット端末を置きソファを立ち上がる。
夜景の広がる窓辺にひとり立った後ろ姿を見て、ちょうど終わった下準備の片付けを手早く済ませた。
外を眺める背中に静かに近づいていく。
私がやってきたことに気配で気づいたらしい公宏さんは、横に並んだ私にちらりと目を向けた。