君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
10、イブの緊急オペ
翌日、クリスマスイブ。
朝は普段通りの時間に起き、出勤する公宏さんを見送った。
その後は、洗濯機を回しながら全ての部屋に掃除機をかけ、水回りの掃除もしていった。
洗濯と掃除を終えて見た時刻は、ちょうど十時を過ぎたところ。
今から母の店に向かえば、ランチでお店を開ける十一時半には十分間に合う。
出かける支度を簡単に済ませ、急いでマンションをあとにした。
クリスマスイブの空は見上げると灰色の空で、今にも雪がちらつきそうなどんよりした色をしている。
「舞花、どうしたのよ」
お店では、母がひとり開店前の準備でカウンターの向こうに立っていた。
「たまには手伝いでもしようと思って」
「やだ、わざわざクリスマスイブに何よ。久世先生は?」
「今日は午前中は病院だよ」
「そう。じゃあ手伝ってもらおうかな」
荷物を置いてコートを脱ぎ、早速調理場に入る。
手始めに流し台の中にある器具や食器を洗い始めた。
「その後は、どうなの? 上手くやってる?」
「うん……まぁ、なんとか」