君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「お母さんが、お母さんが」
言葉が続かない私を前にして、公宏さんは視線を合わせるようにして私の肩に両手を置いた。
「落ち着いて。救急隊の話と状況からいって、恐らく脳出血だと思われる」
「脳出血……」
「今から調べてくるから、舞花は落ち着いて待ってるんだ」
公宏さんが私の手をぎゅっと握りしめてくれる。
その目にはこれまで見たことのない真剣な火が灯っていて、「わかりました」と頷き答えた。
公宏さんは母が運ばれていった通路の先へ、追いかけるように足早に立ち去っていった。