君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「検査の結果、やはり脳内に出血が見られた。くも膜下出血は、聞いたことあるか」

「くも膜下出血……」


 思考もまともに働かない状態なのだろう。

 俺の言葉を繰り返し、一点を見つめている。


「MRI検査で幸い今は止血状態が確認されたが、いつ再出血を起こすかわからない予断を許さない状態だ」

「助からないかもしれないんですか?」

「再出血を起こせば、助かる確率は一気に五十パーセントになる。助かったとしても、重大な後遺症が残る可能性が二、三十パーセント。これまでと変わらない生活を送れる可能性が二、三十パーセント」


 たとえ家族でも、包み隠さず、事実を正確に伝える。

 それを聞いた舞花は、俺の顔を見上げたまま時間が止まったように瞬きを忘れた。


「最近のこと、いろいろ思い返してたんです。少し前から、何度か頭痛とかめまいがするって、休んでることがあって……この病気の、兆候だったんですね……?」

「そうだったのか。でも、何もなければただの風邪や疲労だと勘違いするものだ。くも膜下出血の兆候だなんて疑うほうが少ない」

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