君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「倒れる少し前……孫を抱くために長生きしなくちゃね、なんて話してて。そんな話をしていた直後に、急にこんなことになって……」


 目の前で大切な人が急に倒れる。途轍もなく不安で怖い思いをしたと思う。

 そんな話をしたあとなら尚更、そのショックは大きい。

 となりに立つ舞花を引き寄せて抱きしめたい衝動に駆られたが、場所が場所だけに気持ちを抑えた。


「でも、公宏さんがいてよかった。お母さん、助かって良かった」


 ガウンの肩が小刻みに揺れる。


「舞花……」


 張り詰めていた緊張の糸がぷつりと切れたように、舞花は声を上げて泣き始めた。

 そんな舞花の姿を目に、聡子さんが頑張ってくれたことに心から感謝していた。

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