君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
年度終わりが迫る三月の一週目。
幼稚園では卒園式も迫り、私は普段より慌ただしい日々を送っていた。
毎日の忙しさにすっかり自分のことが後回しになっていた矢先、お弁当の時間に出た白いご飯が全く食べられず、子どもたちに心配されながらほとんどを残してしまうという幼稚園教諭としてらしからぬ行動をとってしまった。
お米が食べられないなんて今まで経験したことないのに、自分の体は一体どうしてしまったのかと最近の体調を見つめ直したとき、おかしなことに気がついたのだ。
最近、月のものがきていない。
いつからきていないか正確にはわからなかったけど、二か月くらいはきていないとハッとした。
もしかしたら……。
そんな思いで仕事後にドラッグストアに寄り、人生初めて購入する妊娠検査薬を手に取った。
そしてその晩。
帰宅した公宏さんに「お話があります」と真剣な顔で詰め寄った。