君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「え、合ってたの? ねっちゃんの鶴」
周りの子たちも、完成した鶴に不思議そうな顔を見せる。
「うん、少し最後のところが逆になってただけで、上手に折れてたよ」
教えてあげると、子どもたちはみんな嬉しそうに盛り上がる。
「俺たち、鶴、千羽折るんだ」
「えっ、もしかして、千羽鶴?」
訊き返すと「そう!」と元気よく男の子たちから返事がくる。
「一緒に入院してる子の手術が大変だから、みんなで作ろうって」
ねっちゃんとみんなに呼ばれていた女の子がそう教えてくれて、直した鶴を私から受け取った。
「でも……鶴って難しい。千個なんて作れるのかな」
キッズルームの中に目を向けると、奥に置かれたローテーブルの上、折り紙が無造作に置かれているのが見える。
「よし、じゃあみんなに、鶴の折り方教えてあげる!」
意気消沈している子どもたちを放っておけず、ついそんなことを言ってしまっていた。