君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「良かった、やっと繋がった。どうしたの? 大丈夫? 今どこにいるの?」
この状況のせいで疑問が矢継ぎ早に出てきてしまう。
向こうの声が聞こえず「智志くん?」と呼びかけた。
『式場には、キャンセルの連絡を入れた』
聞こえてきたはっきりとした智志くんの声に、式場の門をくぐりかけた足が止められる。
「え……?」
キャンセルの、連絡?
言っている意味がわからず、無意識に瞬きが繰り返される。
「キャンセルって……え、なんの──」
『結婚式のキャンセル。舞花とは、やっぱり結婚できないと思ったから』
今……なん、て……?