君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
『そういうことだから、終わりにしよう』
「ちょっ、ちょっと待って?」
頭の中では全く理解も整理もできていない。
それでも引き留めるように声が出てくる。
「今日、今から式を挙げるって日に、どうしてそんな話になるの? この間、智志くんのご両親にも会って挨拶したし、私の母にだって会ったでしょ? それなのに、当日の朝になってそんなこと──」
『俺だってずっと悩んで、考えてきたんだよ!』
一段と強い口調で言い返されて、鼓動がドクっと驚いたように跳ね上がる。
『まだわからないのか? これだけ付き合ってきて、結婚の約束までしたのに、舞花が一度も体を許してくれなかったからだろ? そんなやつと結婚できる男なんていない』
言われた言葉が鋭利な刃物のようになって、私の心臓を容赦なく突き刺す。
『俺は、将来子どもだって欲しいと思ってた。だけど、舞花と一緒になったらそれも叶わないかもしれないと思うようになった』
だから、他の人と付き合ったの……?
私が……体も許せないから……?