君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「ほんと、すごい雨だね。出水さんの腕が物語ってたよ」
そろそろから揚げ定食が出てくるころだろうと思い、カウンター席に腰を下ろす。
「舞花……」
顔を上げると母が真顔でじっと私の顔を見つめていて、思わず首を傾げてしまった。
「何? どうしたの」
「え、だって……あなた、男の人、大丈夫なの……?」
「え?」
母が何かに驚いているのはその表情でわかった。
でも、何に驚いているのかがわからない。
男の、人……?
小首を傾げた私に、母は思い出したように「今出すわ」と、から揚げ定食の用意の続きを再開した。