君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


 そんな八月の一週目も無事に終わり、まったりしてしまう日曜の午前。

 ダイニングテーブルには、おりがみやミニ便せんに書かれた手紙が広がる。

 夏休みが始まる前にクラスの子どもたち数名が手渡してくれた手紙だ。

 年長クラスにもなると、ひらがなを覚え始めて男女共に手紙ブームがやってくる。

 お友達同士の交換はもちろん、私にも書いてきてくれるから、その返事はまめに返している。

 広げた手紙には【まいかせんせいえ】と書いてありふふっと笑ってしまう。

〝ま〟の字も鏡に映したように反転していて、幼稚園児あるあるの字が可愛らしい。

 返事を書こうと、ペンを手に取ったとき「おはよう」とリビングに母が顔を出した。


「おはよう」

「休みなのに早いわね」

「うん。蒸し暑くて目がさめちゃって。朝から暑いね」


 今日も最高気温は三十五度の予想だとさっき見た天気予報で伝えていた。

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