君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~


「え、何それ。お見合いっていうこと?」

「ううん、そういう堅苦しい話ではないの。落合先生、知ってるでしょ?」


 落合先生は、古くからうちの母の小料理屋を贔屓にしてくれている常連のお客様。

〝神の手〟と言われている外科の先生で、これまで多くメディアにも取り上げられてきたような方だ。


「落合先生、うん……」

「落合先生がね、前に舞花のこと診てくれた久世先生と、みんなで食事でもしないかって」

「えっ……久世先生って、あの久世先生!?」


 名前を聞いた瞬間、ドクっと心臓が驚いたように音を立てた気がした。

 突然すぎる話に思考が追い付かない。

 落合先生と久世先生って、知り合いだったの!?

 いや、違う。気にするところはそこじゃない!


「そうよ。落合先生がね、研修医時代から目にかけていてね、久世先生のこと。うちに来てくれるようになったのも、初めは落合先生が連れてきたからなのよ」

「そう、だったんだ……」


 え、それじゃあ、久世先生と結婚を前提にまた会ってみないかって話なの……?

 みみちゃんの診察でお世話になり、その後、偶然にも自分もお世話になった脳外科の先生。

 母のお店の常連さんということが縁で一度食事には行ったけど、まさかその久世先生とそんな話になるなんて考えもしない。

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