姫と魔王の城
魔王はゆっくりと姫を上下に揺すり始め、次第に速度をあげた。

「!!」

姫は声もあげられぬまま、腰を抱かれ、揺さぶられ続けた。

「言わぬか…ならばもっと激しくだ…!!」

「やぁぁぁ!!」

二人は高みへ上っていった。

「はあっ…はあぁっ…!!あぁぁ…ああっっ!!」

二人は絶頂に達し、姫はそのまま意識を手放した。魔王は自らの熱を取り出すと、姫の白い肌に弾けさせた。

「あぁ…く…っ……!!」


魔王はぐったりと眠る姫を一瞬見やるとすぐに目をそらし、自らと姫を光に包んで身を整え、部屋の扉を開けた。

「ミグー、ミグーいるか!」

魔王が呼び掛けると、赤みがかった肌をした、一本角のある小鬼のような小さな魔物がやって来た。

「お呼びですか?魔王さま!」

小鬼は元気よく、そう返事をした。

「ミグー、姫を牢へ繋いでおく!!お前は見張っていろ!」

「はい、わかりました…!」


小鬼は魔王の言いつけ通り、牢の中の、先程より粗末な寝床に寝かされた姫を見張ることにした。

「これが人間の姫かあ…。」

好奇心の強い小鬼は恐る恐る、牢の中の眠っている姫のそばへ近づいた。

「すごく気が強いって魔王さまが言ってたなあ…人間のせいで痛い目に合うの、おいらはもう嫌だよ…。」

まだ幼い小鬼は悲しそうに下を向いた。


姫は目を覚まし、身体をゆっくりと起こした。

「あ…ここは……痛っ…!」

起きた姫に気づいた小鬼は、姫を睨み付けて言った。

「っ…や、やい姫!魔王さまのちからを思い知ったか!」

姫は怯えたように身をすくめた。

「ま、魔物…!?」

「さっさとはけ…!魔王さまにまりょくをささげるんだ!そうすれば命は見逃すって魔王さまは言ってるっ!」

「あ…あ……」

姫は怯えたまま小鬼を見つめた。

「言えようっ!」

「…い、言わない…言わないわ…!」

「強情な姫だ…!魔王さまの『ごーもん』も受けたくせにっ!ここから出してなんてやらないからなっ!」

下を向き、おとなしくなった牢の中の姫から離れ、小鬼は呟いた。

「……おかしいなぁ、気の強い姫だって聞いてたから、もっと暴れたり叫んだりすると思ってたのに…。」
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