悪魔と願いの代償
次の日の同じ頃の夕刻も、娘は同じ店の裏手にいた。人間の姿に変身した悪魔は、わざと娘に見えるよう少しだけ姿を見せた。

「ま、待って…!!お願いです!」

必死に追おうとする娘を尻目に、悪魔はまた、嘲るように姿をくらました。そして、娘が近くまで来たこと、人目がないことを確認し、変身を解いた。

「あ…!!」

「遅いから迎えに来てやったぞ?何をしている?」

「あ、あの……」

娘は言い淀む。

「逃げたのか…?」

悪魔はわざと低い声で、怒りを含んだように言った。

「違います!!あの…知っているかもしれない人が……」

「そうか、そいつに会うためにここに。俺との代償を放棄しようとしてまでか?」

更にわざと冷たく続けた。

「違うんです…!」

「そいつに、見せつけてやるか。ここは他に誰も来ないようだからな?お前が男に嬲られて、感じる様をな…」

悪魔はいつも通り娘の手を縛ると、どこからともなく出した厚い布で目を覆った。

「や!やめて…!!」

悪魔は声を出さず笑うと娘の体を掴み、そのまま音を立てずに二人の体を霧に包んだ。

そして娘に知られぬまま屋敷に移動した。


(人間どもにバレたら面倒だからな…これなら存分に楽しめるだろう…。)

「…そんなに声を出していいのか?他の人間どもにも、見られてしまうかもな??」

悪魔はわざとまだ外にいるよう思わせるために、そう娘の耳元で囁く。

「っ…!」

娘はすでに屋敷に居ることに、全く気づいている様子はない。体を硬直させ、何も言わず震えている。

娘を後ろから強く掻き抱き、服の中にゆっくりと片手を差し入れた。

「や…!」

「なんだ…お前も好き物だったようだな…外でされて、感じているんじゃないのか…?」

悪魔はなおも囁きながら、娘の服の下の柔肌を撫で回した。

「あっ…やだ…嫌です……!」

(声がかなり抑えられている…まだしっかり外にいると思っているようだな。)
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