悪魔と願いの代償
「当然、下もだろう?お前は悪魔相手に感じる、イヤらしい女だからな…」

悪魔は更にそう言い、くくっ…と小さく笑って、わざと感じるようにそっと服の隙間から娘の中に指を差し入れた。

「…!!」

「声はどうした?知り合いに見せ付けるんだろう…?」

言いながら悪魔の指はさらに激しく動いた。

「っ…やっ…!やぁっ……!!」

「まぁお前が声を上げなくとも、お前の下が代わりにグチュグチュと悲鳴を上げているようだからな…これならよく聞こえるだろう…。男に嬲られて感じています、助けてください、とな…」

娘は体を震わせながらも立ち、悪魔の愛撫に耐え続けた。

「っ…!!うぅっ……やあぁぁっ…!!」

娘はとうとうそのまま果て、気を失った。

(もうか…。もっと苦しめてやりたかったが……。羞恥に耐える姿は良かったが、声は抑えられ顔もろくに見られないのはもったいなかった。)

悪魔はいつも通り娘を捨て置き、自室へ籠った。


次の日の夕刻は、娘は屋敷の部屋にいた。疲れているところを見ると、仕事はこなしてから来たらしかった。

「知り合いに合わないように急いで来たのか。よほど知られたくないようだな。次はそいつも閉じ込めて、見せつけてやるのも悪くないかもな?」

悪魔が笑いながら言うと、娘は顔が真っ青になり、震え出した。

「お、お願いです…!!特にあの方には知られたくない…どうか…!!」

(…なんだこの反応…。俺の化けた姿に会ったことがあるのか…?)
「…ソイツは、お前のなんなんだ…?なぜそんなに気にする…?」

「それは……あの方は、恩人なんです……」

「恩人だと!?」

そんなはずはなかった。悪魔は人助けなどしたことはもちろん無い。

「何かの間違いだろう…!?」

「いいえ。あの方は…私のたった一人の弟を助けてくれた、私と弟の恩人なんです。…あなたもあの方を見たんですね?…やっぱり、私のあんな姿を、あの方に……」

娘はベッドに泣き崩れた。

(そんなバカな…この俺が誰かを助けるなんて、あるはずが…!!)
「忘れろ!!ふざけるな、何が恩人だ!!胸糞悪い…!!願いもそいつを探すためか!?」

「なん…で……あなたが…?」

「うるさい!!」

悪魔は娘を組敷いた。

「願いなど聞いてやらなければ良かった!!見殺しにしていれば、こんな訳のわからない思いをせずに済んだんだ!!もういい、殺してやる!」

「!!」

娘に黒い霧が迫る。娘を覆いつくし、苦しめ続ける。

「わ、私…あの方に…まだ…!お願い…です…!!」

「うるさい!!お前など…!!」
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