悪魔が気に入るお飾り人形!
※ 悪魔さんのペットはウサギちゃん
起きたばかりでお昼前。
こんなにずっとドキドキしたのは初めてかもしれない…。
いつも、つまらないって飽きられる。なんの取り柄もなくて、目立たなくて、いつだって一人ぼっちになってたのに、彼は私に接してくれる……
お父さんに叩かれるたびに、自分の感情が無くなればいいと思った。でもさらにお父さんに叩かれた。
…いつの間にか、痛くされなければ、この人がそばにいてくれればいいと、私は思い始めていた…
「…貴方の…お名前…教えてくれますか……?」
私はすぐにでも人形になるかもしれないのに、そんなことは意味が無いかもしれないのに、生まれて初めて、相手の名前を聞いてみたくなった。
「俺?…レイ、だよ。お前もあるのか?」
「私、蛍(ほたる)…です……」
「いい名前じゃん?人間のセンスは全然分かんないけどな!」
また彼は楽しそうに、ニッと笑った。私の頭を撫でながら、彼はしみじみとしながら言った。
「…なんだか、帰りたくないな……ずっとこうして……」
「え……?」
「あ…なんでもねえよ!…よし、出かけるぞ!!ホタル、飯を頼む!」
「あ、あの…この格好…で……?」
私はまだ、半分脱がされたままの赤ずきん姿。
「そ!!あと、着直すなよ?オオカミが食う直前の、赤ずきんだからな!」
(…どうしよう…動きづらそう……)
私はその動きづらい格好のままで、二人分の食事を作った。
「あ〜、忘れてたな!これお前に!」
「……これ……!」
渡されたのは、昨日彼が持って帰ってきた、結構あった荷物。見たことがある大きなカバンだと思ったら、昔にお父さんが使っていたもの。
中も、開けると見覚えのあるものばかりで、お母さんの写真とか、私の大事にしていたものがだいたい入っていた。
「大変だったぞ?お前の魂の気配辿ってさ…で、魂を感じ取ったもんだけ、な。変な奴がいたけど、バレずに取ってくることくらいは出来る。」
(変なやつ、って…もしかしなくても、きっと…)
「……ありがとう……」
「え…あ……まさか人間に礼を言われるとは思わなかったな。ま、それで暇潰せよ。帰ってきたら俺が相手してやるからな!」
彼は、私の頭を撫でるのが好きみたい。
(…もしかして、私はペットに近い感覚なのかな…?…でも、人形にされる前にお母さんの写真を見られて、良かった…)
彼は私にまた服を手渡してから、手をヒラヒラさせて出かけていった。
「……ばにーがーる……」
ウサギの耳が付いたカチューシャと、網タイツのバニーガールのセットだった。
私はバニーガールに着替えて、お母さんの写真を時々見ながら、ゆっくりとこの家の片付けと食事の支度をして昼間は過ごした。
(お母さん…私、悪魔さんに人形にされちゃうんだって…。でもね、すごく変わってるけど、優しい悪魔なんだよ、レイさんは…。ね……お父さんはどうしてた…?)
「ただいま帰ったぞ〜!飯はまだか〜?」
何年もどこかで聞いていないようなセリフを言って、レイさんが帰ってきた。
「…お帰りなさい……」
「そうじゃないだろ〜?そう言われたら、『お帰りなさいアナタ。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それともワタシ〜?』だろ??」
大真面目な顔で、そう返されてしまった。
(レイさん本当に、どこで覚えてくるの…?)
「…だって……バニーガールだし…それに、『飯はまだか』って……」
私がそう言うと、笑いながらまた私の頭を撫でた。
「かわいいヤツ!!…耳もいいな〜!」
彼は私の付けてるウサギの耳を触り、ほっぺたを撫でて、そのまま唇にキスした。
「!」
(…ペットにチュってする人がいる、っていうけど、それと似たような感じなのかな…?)
「ホントに『ウサギ』みたいだな!一瞬ちっとだけ目が丸くなった!」
「え……」
(私の表情、変わったのが分かるの…?みんな、分からない、って言うのに…)
「よし!風呂上がったらとっておきのを出そうな!第二弾だ!下着は無しな!」
こんなにずっとドキドキしたのは初めてかもしれない…。
いつも、つまらないって飽きられる。なんの取り柄もなくて、目立たなくて、いつだって一人ぼっちになってたのに、彼は私に接してくれる……
お父さんに叩かれるたびに、自分の感情が無くなればいいと思った。でもさらにお父さんに叩かれた。
…いつの間にか、痛くされなければ、この人がそばにいてくれればいいと、私は思い始めていた…
「…貴方の…お名前…教えてくれますか……?」
私はすぐにでも人形になるかもしれないのに、そんなことは意味が無いかもしれないのに、生まれて初めて、相手の名前を聞いてみたくなった。
「俺?…レイ、だよ。お前もあるのか?」
「私、蛍(ほたる)…です……」
「いい名前じゃん?人間のセンスは全然分かんないけどな!」
また彼は楽しそうに、ニッと笑った。私の頭を撫でながら、彼はしみじみとしながら言った。
「…なんだか、帰りたくないな……ずっとこうして……」
「え……?」
「あ…なんでもねえよ!…よし、出かけるぞ!!ホタル、飯を頼む!」
「あ、あの…この格好…で……?」
私はまだ、半分脱がされたままの赤ずきん姿。
「そ!!あと、着直すなよ?オオカミが食う直前の、赤ずきんだからな!」
(…どうしよう…動きづらそう……)
私はその動きづらい格好のままで、二人分の食事を作った。
「あ〜、忘れてたな!これお前に!」
「……これ……!」
渡されたのは、昨日彼が持って帰ってきた、結構あった荷物。見たことがある大きなカバンだと思ったら、昔にお父さんが使っていたもの。
中も、開けると見覚えのあるものばかりで、お母さんの写真とか、私の大事にしていたものがだいたい入っていた。
「大変だったぞ?お前の魂の気配辿ってさ…で、魂を感じ取ったもんだけ、な。変な奴がいたけど、バレずに取ってくることくらいは出来る。」
(変なやつ、って…もしかしなくても、きっと…)
「……ありがとう……」
「え…あ……まさか人間に礼を言われるとは思わなかったな。ま、それで暇潰せよ。帰ってきたら俺が相手してやるからな!」
彼は、私の頭を撫でるのが好きみたい。
(…もしかして、私はペットに近い感覚なのかな…?…でも、人形にされる前にお母さんの写真を見られて、良かった…)
彼は私にまた服を手渡してから、手をヒラヒラさせて出かけていった。
「……ばにーがーる……」
ウサギの耳が付いたカチューシャと、網タイツのバニーガールのセットだった。
私はバニーガールに着替えて、お母さんの写真を時々見ながら、ゆっくりとこの家の片付けと食事の支度をして昼間は過ごした。
(お母さん…私、悪魔さんに人形にされちゃうんだって…。でもね、すごく変わってるけど、優しい悪魔なんだよ、レイさんは…。ね……お父さんはどうしてた…?)
「ただいま帰ったぞ〜!飯はまだか〜?」
何年もどこかで聞いていないようなセリフを言って、レイさんが帰ってきた。
「…お帰りなさい……」
「そうじゃないだろ〜?そう言われたら、『お帰りなさいアナタ。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それともワタシ〜?』だろ??」
大真面目な顔で、そう返されてしまった。
(レイさん本当に、どこで覚えてくるの…?)
「…だって……バニーガールだし…それに、『飯はまだか』って……」
私がそう言うと、笑いながらまた私の頭を撫でた。
「かわいいヤツ!!…耳もいいな〜!」
彼は私の付けてるウサギの耳を触り、ほっぺたを撫でて、そのまま唇にキスした。
「!」
(…ペットにチュってする人がいる、っていうけど、それと似たような感じなのかな…?)
「ホントに『ウサギ』みたいだな!一瞬ちっとだけ目が丸くなった!」
「え……」
(私の表情、変わったのが分かるの…?みんな、分からない、って言うのに…)
「よし!風呂上がったらとっておきのを出そうな!第二弾だ!下着は無しな!」