悪魔が気に入るお飾り人形!
レイさんのとある一面と親切な魔女さん
「美味そうだな!…あ、これは何だ??」
「見てみろホタル〜!知ってるか、コレ?」
「お前に似合いそう!これ着てみろよ〜!」
「何か回ってる!見てこうぜ〜!」
レイさんと色々な物を見て回れて楽しい。でも、あまりに次々行くから、体力が無いのに加えて運動不足の私は、すぐに疲れてしまった。
「ま、待ってぇ……」
肩で息をするほどクタクタになり、足は棒のよう。するとようやくレイさんが気付いてくれた。
「??…あ…散歩は休憩入れなきゃなんなかったな…悪い!」
レイさんは、ヒョイ、っと私を抱き上げて歩き出した。夕方で暗くなってきたけど目立つから、道行く人たちが私達を見ている。
「や……レイさん…恥ずかしい…です…」
「ホタルは疲れてるんだからな、気にすることないんだぞ〜?」
そう言うと何でもないように笑って、近くの店に私を抱えたまま入っていった。
(え…ファミリーレストラン…?どうしよう…私、お金なんて持ってない……。レイさんはあるのかな…?悪魔さんだから、そんなにお金は…)
「いらっしゃいませ〜。」
店員さんが出てきた。
するとレイさんは、私が今まで見たことも無いような上品な笑みを浮かべて言った。
「私の連れが疲れているんだ。奥の席を頼みたい。」
一瞬、誰が言ったのかと思った。
店員さんは、女の子を抱えたスーツの男の人が店に入ってきて一瞬変な顔をしたけれど、それ聞いてニコッと笑った。
「はいコチラです!二名様、ご来店で〜す!」
「……。」
(私、レイさんのあんな顔、見たことなかった……)
「ホタル、君はどれがいい?…私はこれとこれを。」
「え…えっと…私は…カルボナーラを、下さい……」
レイさんはレストランで上品に私に接して、来た食事も、また私が見たことないほど上品に食べていた。そして…
「お会計は二千五百九十円になります!」
何の迷いも無く、上品に笑ってお金を払い、二人で店を出た。
「……あ〜、堅苦しい…もう嫌なんだよな〜、この感じ。飯は悪くないけどさ…あ、ホタル、少しは疲れは取れたか〜?」
店を出てすぐ、レイさんはグッタリしながら私にそう言った。そうとうさっきの態度が疲れたみたい。
「う、うん…。レイさん…お店でそんなにしなくても…」
「ん?…ああ、癖だよ……」
彼は力無く言った。
「癖、って…」
(人間のお店ではああするように、誰かに教えてもらったのかな…)
「さて…礼を言いに行かないとな…」
「…お礼…?」
「楽しかったしな…!彼女のアドバイスのおかげもある!」
「……。」
なぜかモヤモヤする…。彼女って誰だろう…。そういえば、私がいつも家にいるお昼に、レイさんが何をしているのか、私は全然知らない……
「ほら、こっち!ここからは近いんだ。」
繋いでくれたのは温かい手。でも、ペットを心配するようなつもりの、優しいレイさんの手……いつかは人形になる私……
「見てみろホタル〜!知ってるか、コレ?」
「お前に似合いそう!これ着てみろよ〜!」
「何か回ってる!見てこうぜ〜!」
レイさんと色々な物を見て回れて楽しい。でも、あまりに次々行くから、体力が無いのに加えて運動不足の私は、すぐに疲れてしまった。
「ま、待ってぇ……」
肩で息をするほどクタクタになり、足は棒のよう。するとようやくレイさんが気付いてくれた。
「??…あ…散歩は休憩入れなきゃなんなかったな…悪い!」
レイさんは、ヒョイ、っと私を抱き上げて歩き出した。夕方で暗くなってきたけど目立つから、道行く人たちが私達を見ている。
「や……レイさん…恥ずかしい…です…」
「ホタルは疲れてるんだからな、気にすることないんだぞ〜?」
そう言うと何でもないように笑って、近くの店に私を抱えたまま入っていった。
(え…ファミリーレストラン…?どうしよう…私、お金なんて持ってない……。レイさんはあるのかな…?悪魔さんだから、そんなにお金は…)
「いらっしゃいませ〜。」
店員さんが出てきた。
するとレイさんは、私が今まで見たことも無いような上品な笑みを浮かべて言った。
「私の連れが疲れているんだ。奥の席を頼みたい。」
一瞬、誰が言ったのかと思った。
店員さんは、女の子を抱えたスーツの男の人が店に入ってきて一瞬変な顔をしたけれど、それ聞いてニコッと笑った。
「はいコチラです!二名様、ご来店で〜す!」
「……。」
(私、レイさんのあんな顔、見たことなかった……)
「ホタル、君はどれがいい?…私はこれとこれを。」
「え…えっと…私は…カルボナーラを、下さい……」
レイさんはレストランで上品に私に接して、来た食事も、また私が見たことないほど上品に食べていた。そして…
「お会計は二千五百九十円になります!」
何の迷いも無く、上品に笑ってお金を払い、二人で店を出た。
「……あ〜、堅苦しい…もう嫌なんだよな〜、この感じ。飯は悪くないけどさ…あ、ホタル、少しは疲れは取れたか〜?」
店を出てすぐ、レイさんはグッタリしながら私にそう言った。そうとうさっきの態度が疲れたみたい。
「う、うん…。レイさん…お店でそんなにしなくても…」
「ん?…ああ、癖だよ……」
彼は力無く言った。
「癖、って…」
(人間のお店ではああするように、誰かに教えてもらったのかな…)
「さて…礼を言いに行かないとな…」
「…お礼…?」
「楽しかったしな…!彼女のアドバイスのおかげもある!」
「……。」
なぜかモヤモヤする…。彼女って誰だろう…。そういえば、私がいつも家にいるお昼に、レイさんが何をしているのか、私は全然知らない……
「ほら、こっち!ここからは近いんだ。」
繋いでくれたのは温かい手。でも、ペットを心配するようなつもりの、優しいレイさんの手……いつかは人形になる私……