悪魔が気に入るお飾り人形!
飲み屋さんの建ち並ぶ中にある、周りに比べると小さめなビルの前についた。
「ここだ!」
「え…?」
(このビルに、レイさんのお世話になった人がいるの…?どんな人…??)
ビル横の狭い階段を上がると、茶色のオシャレな扉と、何かが書いてある看板があった。
(…『占い』…??)
レイさんは迷わず入っていく。
「クォーツ、また来たぞ〜」
馴染みのある感じでレイさんが挨拶すると、部屋の奥から、黒いオシャレな服を着てキレイにお化粧をした、優しそうな年配の女の人が出てきた。
「あら、レーガ……
「レイ、でいいって言ったろ〜?」
(あれ…?この人…??)
「ふふっ。ご機嫌麗しゅう、レイ様。確か今夜がデートだったはずでは??」
「デート??…ホタル、彼女がいつも世話になってる魔女だ。」
「あ……。こ、こんばんは…はじめまして……」
(魔女さんのことだったんだ…。でも確かレイさん、『あいつ』って…。レイさんともっと歳が近いと思ってた…)
魔女さんは穏やかな笑顔で私を見る。
「あら、あなたがレイ様の人形候補の??はじめまして、魔女のクォーツですよ。」
「え…本当に、魔女さん…??」
「そうです。人間界には長いんですよ、占いを生業としていますし。レイ様の種族とは違いますからね。」
(見た目は少し日本人離れしてるけど、魔女さんには見えない…)
「レイ様ったら、デートの帰りにわざわざいらっしゃって下さらなくても…。」
魔女さんはそう言うと、上品にクスクスと笑って私に言う。
「初めてレイ様から聞いた時は、あなたを動物のことかと思ったのよ?小さくてかわいいとよく仰っていたから。でも、本当に可愛らしいわね!」
「お前やお前の種族にはやらないぞ〜!」
レイさんはちょっとムッとして言った。
「ふふっ、分かっておりますよ。…あなたのこれまでの事を思えば、きっとこの子は……」
「え…?」
「…あら、ちゃんと付けてくれていて嬉しいわ。」
魔女さんは私が付けているペンダントを見てニッコリ笑った。
「あ…これも魔女さんが……ありがとうございます…!」
私がお礼を言うと、レイさんはすかさず私の頭を撫でて言った。
「似合うだろ、うちのホタルに!」
「あらあら、まるで自分の子供の自慢のよう…。ですが、人間の女の子にも自立心というものがあるのですから、レイ様?」
「自立心??…そうか……」
レイさんは魔女さんの言った言葉を、一生懸命理解しようとしているみたいだった。
「レイ様、貴方の目指す道に近付きたければ、そばにいるホタルさんの事も理解してあげてください。それがレイ様にとっても、ホタルさんにとっても、道を見つける一歩になるでしょう。」
(私の…道……?私はいつか人形にされちゃうのに…?)
「それからレイ様、ホタルさんは人形のように愛らしくても人間なのです。それに良さは分かっていらっしゃるのでしょうから、大切にしてあげてくださいな。」
「クォーツ〜、俺はだいぶホタルをな…
「クォーツさん…!……私…レイさんに、優しくしてもらってます…」
とっさに言ってしまい、自分でもびっくりした。クォーツさんもびっくりしていたけど、何かに気付いたらしく、また笑った。
「??あ、あの…だから……」
「そのようですね!…どうかお二人ともこのままで…。」
そう言うとクォーツさんは両手を胸に当て、穏やかな顔で目を閉じた。
「ここだ!」
「え…?」
(このビルに、レイさんのお世話になった人がいるの…?どんな人…??)
ビル横の狭い階段を上がると、茶色のオシャレな扉と、何かが書いてある看板があった。
(…『占い』…??)
レイさんは迷わず入っていく。
「クォーツ、また来たぞ〜」
馴染みのある感じでレイさんが挨拶すると、部屋の奥から、黒いオシャレな服を着てキレイにお化粧をした、優しそうな年配の女の人が出てきた。
「あら、レーガ……
「レイ、でいいって言ったろ〜?」
(あれ…?この人…??)
「ふふっ。ご機嫌麗しゅう、レイ様。確か今夜がデートだったはずでは??」
「デート??…ホタル、彼女がいつも世話になってる魔女だ。」
「あ……。こ、こんばんは…はじめまして……」
(魔女さんのことだったんだ…。でも確かレイさん、『あいつ』って…。レイさんともっと歳が近いと思ってた…)
魔女さんは穏やかな笑顔で私を見る。
「あら、あなたがレイ様の人形候補の??はじめまして、魔女のクォーツですよ。」
「え…本当に、魔女さん…??」
「そうです。人間界には長いんですよ、占いを生業としていますし。レイ様の種族とは違いますからね。」
(見た目は少し日本人離れしてるけど、魔女さんには見えない…)
「レイ様ったら、デートの帰りにわざわざいらっしゃって下さらなくても…。」
魔女さんはそう言うと、上品にクスクスと笑って私に言う。
「初めてレイ様から聞いた時は、あなたを動物のことかと思ったのよ?小さくてかわいいとよく仰っていたから。でも、本当に可愛らしいわね!」
「お前やお前の種族にはやらないぞ〜!」
レイさんはちょっとムッとして言った。
「ふふっ、分かっておりますよ。…あなたのこれまでの事を思えば、きっとこの子は……」
「え…?」
「…あら、ちゃんと付けてくれていて嬉しいわ。」
魔女さんは私が付けているペンダントを見てニッコリ笑った。
「あ…これも魔女さんが……ありがとうございます…!」
私がお礼を言うと、レイさんはすかさず私の頭を撫でて言った。
「似合うだろ、うちのホタルに!」
「あらあら、まるで自分の子供の自慢のよう…。ですが、人間の女の子にも自立心というものがあるのですから、レイ様?」
「自立心??…そうか……」
レイさんは魔女さんの言った言葉を、一生懸命理解しようとしているみたいだった。
「レイ様、貴方の目指す道に近付きたければ、そばにいるホタルさんの事も理解してあげてください。それがレイ様にとっても、ホタルさんにとっても、道を見つける一歩になるでしょう。」
(私の…道……?私はいつか人形にされちゃうのに…?)
「それからレイ様、ホタルさんは人形のように愛らしくても人間なのです。それに良さは分かっていらっしゃるのでしょうから、大切にしてあげてくださいな。」
「クォーツ〜、俺はだいぶホタルをな…
「クォーツさん…!……私…レイさんに、優しくしてもらってます…」
とっさに言ってしまい、自分でもびっくりした。クォーツさんもびっくりしていたけど、何かに気付いたらしく、また笑った。
「??あ、あの…だから……」
「そのようですね!…どうかお二人ともこのままで…。」
そう言うとクォーツさんは両手を胸に当て、穏やかな顔で目を閉じた。